映画紹介「パッチギ!」

 最近、レンタルビデオ屋さんで旧作の映画を探していた時、「パッチギ!」という題名と、表紙で不良高校生が拳を挙げているDVDに目がとまった。

 私は、不良映画はあまり見ないのだが、「パッチギ!」という題名が気になり、紹介文を読んでみた。すると、在日朝鮮人と日本人の高校生を取り上げた愛と友情のドラマであることが書かれていた。

 この映画は、昭和の京都を舞台に在日朝鮮人と日本人の喧嘩や恋愛、友情を描いた映画である。

 何気なしに見た映画であったが、当時の在日朝鮮人に対する差別、そして、近くて遠い二つの国の男女の恋愛模様を映画いている点で、ほかの不良映画とは一線を画している名作であるといえる。

 私がこの映画で一番心に残っているシーンは、朝鮮学校に通うキョンジャに主人公である高校2年生の康介が告白したとき、キョンジャの「もし、私たちがこの先ずっと付き合い続けて結婚するようなことになったらあなたは朝鮮人になれる?」という言葉に、何も言い返せなかったシーンである。

 日本と朝鮮、二つの国の間に深い溝があることを知った康介の表情は、かなり印象に残っている。

 実際に、朝鮮人と日本人が恋愛をするとしても、この映画のように色々な試練があったと思う。もしかしたら映画では描けないような、もっとたくさんの苦労があったかもしれない。そう思いながらこの映画を見てみると、まだまだ自分が知らない世界があると実感した。また、その一方で、在日朝鮮人と日本人の恋愛を経験した人に経験談を聞いてみたいという気持ちになった。

 10年以上前の映画ではあるが、現在でも活躍する俳優の演技に目が釘付けになることは間違いない。私もまた少し時間を空けて見直したいと思う。

 お時間があれば、このブログを見てくださっている皆さんも是非「パッチギ!」を見てみてください。

【愛媛現代朝鮮問題研究所】